家作りが進んでいく流れの中での、
我々建築家からのメッセージです 。
 









(建築家と相談しながら土地探しから始めるといったケースもあると思いますが、
ここでは敷地があらかじめ決まっている場合の例を紹介します)


目 次

☆建築家との家作りは時間がかかる?

☆プランニング

☆基本設計から実施設計

☆施工会社を決定する

☆工事中...引渡し検査


☆建築家との家作りは時間がかかる?

建築家との家づくりには時間が必要です。

建築家は基本的なプランニングに充分な時間をかけるし、設計にもそれなりの時間が必要です。

建築家への設計の依頼から完成まで1年ほどかかるケースがほとんどです。
建売り住宅を購入したり、ハウスメーカーで家を建てるのと比べると、かなりの違いがあると感じることでしょう。

これは建築家が時間がかかるというよりは、他が早すぎるという方が正しいのではないでしょうか。

そもそも家を設計するのは、とても時間がかかることなのです。

ハウスメーカーのように、予め用意したプランを元にして、それに変更を加えるだけならば、比較的短時間に設計が完了します。
しかしその結果は、そのプランに自分の暮しを合わせるということなのです。

自分の暮しや、考え方に「あった家を作る」ためには、時間がかかるのは当たり前なのです。

何十年も付きあう家です、プロセスも楽しみと考えてじっくりとつきあって下さい。
(もちろん、時間的制約がある場合は建築家に相談してください、常識的な範囲であればそれに合わせる努力は惜しまない筈です)

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☆プランニング

設計を依頼しようとする建築家が決まったらいよいよ設計に入ります。

この段階で、建主はより具体的な希望を建築家に示すことになります。

総監督を決める

このときにまず注意したいのは、家族の中で、誰が総監督(責任者)になり、建築家との打合せで主導権を取るかを決めることです。
(家族の意見をまとめたり、ましてや夫婦喧嘩の仲裁をするのは建築家の仕事ではありません。
もちろん、様々な要求を上手くまとめる努力は惜しみませんが)

 広い土地と豊富な予算があれば、家族の要望の全てを満たした家も可能かもしれませんが、現実的には難しいことの方が多いはずです。
限られた条件のなかで「希望のランク付」をしなければなりません。
これが明確であればあるほど、いい家が出来るといっていいでしょう。

全ての条件を取り入れようとすると、すべての要求が中途半端にみたされることになり、全体としてのバランスがとれていないプランになりがちです。

難しいのは、どの希望を上位に持って来るかでしょう。
その辺のところを建築家とよく相談してみて下さい。

現状の生活の調査

建築家は基本のプランを考える前に、建主が現状でどのような生活をしているかを調査あるいはヒアリングする場合が多いと思います。

建主の生活状況を把握してから、プランニングの方向性を決めていくのです。
その際は、現状のどこに不便を感じ、それをどう改善したいかを、できるだけ多く建築家に伝えてください。

自分の生活の隅々を見られるのは快適ではないかもしれませんが、この調査の情報は、建築家にとってとても重要です。
(恥ずかしくても医師の前で裸になるのは仕方ないと思うでしょ?)

 家を新しくしても、建主の生活のクセには変えられない部分もある。
物をきちんとしまう方なのか、オープンにして置いておく方なのかなど、建主が気付かないクセを建築家は見極め、それに合せた快適さを実現しようとするのです。

要求条件の書出し

出来れば、要望を書面にまとめておいてください。

まとめかたのコツは、まず家族全員の要望を全て書き並べ、そのなかで、どれを優先させるかの順番をきめてみてください。

建築家に見せるときは、要望の順番に整理して並べ、箇条書きにしてください。
べつに 文章に凝る必要はありません、できるだけ簡素にした方が伝わりやすいと思います。

 この段階では、どんな希望を出してもいいと考えて下さい。
敷地が狭いからとか、予算が少ないからといった理由で、最初から諦めないで、とにかく全てを吐き出してください。
(建築家 は、不可能な事は不可能と言ってくれるはずですし、一般の人が難しいと考えていることを叶えてくれる場合もあります)

ただし気をつけたいのは、それが自分の本心から出ているかどうかです。
世間体や、既成概念による「豊かな暮し像」ではなく、自分の本当の欲求をだすことが大切です。

 例えば、風や光が入る方がいい、といった全体的なことから、子供の頃から作りためたプラモデルを飾りたい、思う存分マージャンがしたいなど、細かなことまで要望を書いて見て下さい。

リビングは○畳の和室が欲しい、というよりは、こうした純粋な欲求を伝えた方が、建築家の能力を引出すことができます。

建築家は○LDKという考え方ではなく、建主に必要なものは何かを考えながらプランを進めていくのです。

ラフプラン

建築家のプランがまとまった段階で、建主にはラフプランが提出される筈です。

ラフプランは平面図を使ってプレゼンテーションされることが多いと思います。

ラフプランといっても、ここで家の全体像が決定されることになります、慎重に検討する必要があります。

あまり細かい事にこだわらずに全体の構成の善し悪しに対する検討をして下さい。

平面図で良く理解出来ない点については、模型などを使って説明される場合もあります。

気に入らない点があれば、どこがどう気に入らないかを、ハッキリと伝えてください。
そういった意見も建築家にとって重要な情報です。  

設計は全体のバランスが大切です。
この時点であまり細かい事を指摘し過ぎると、せっかく練上げられたプランが台無しになることもあります。

例えば使用する床材の種類や、キッチンの色といったことは、以後の基本設計の段階で決めていけばよいことです。

建主に提出するまえに、建築家はいくつものスケッチを描き、模型を作り、検討を重ねているのです。
そのことを踏まえた上で、家の全体像を把握し、判断することが大切なのです。

ラフプランが気に入った段階で一般的には設計契約が結ばれることになります。
そして、基本設計へと進んでいくというのが一般的な段取りです。

どの時点で「設計・監理契約」を結ぶかは建築家によっも異なりますが、通常は基本設計に取りかかる前後である場合が多いと思います。

この段階まで正式な契約は結ばれないから、建築家はラフプランの段階で断られても、一般的には足代などの実費しか請求しないと思います。
それだけ、建主に有利な仕組になっていると考えて下さい。  

これ以降の段階になると、構造計算や設備設計などを、外部のスタッフに依頼する必要もあり、建築家自身の労力以外の経費がかかってきます。
設計契約以後に設計を断った場合は、契約の取決めにもとづいて、断った段階までの費用を支払ってください。

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☆基本設計から実施設計

基本設計

基本設計で行われるのは、具体的な間取の配置や動線の計画、外観のデザインなどです。

図面の種類は、一般的に以下のようなものになります。

「配置図」:敷地に対して建物の位置関係を示す

「平面図」:部屋の間取や広さなどを示す

「立面図」:外観の形を表現する

「断面図」:内部・外部の高さ関係などを表す

「仕上表」:外部と内部の仕上材を示す

図面だけを見ても立体的なイメージが湧きにくいとおもいます。

模型やパースなどを使って、建主に分かりやすいように工夫する場合もあります。

実施設計

基本設計が固まると、次に「実施設計」に移ります。
ここでは建物のより具体的なディティールを詰めていく。
図面は多種を揃えることになり、実務としての設計のヤマ場です。
その中で、意匠図の詳細部分や構造図・設備図などが作成されていきます。

建て主との打合わせも、照明器具の位置やコンセントの位置といった細かな事にも及んで行きます。

その結果、分厚い「設計図書」が出来上がります。

この段階でチェックすることは、コンセントの位置や高さ、設備の使い勝手、使われる建材や仕上材の種類、ドアの仕様や開き勝手など様々です。

実際の生活を想定しながら、細かな部分を詰めていく。
例えば電気や電話、テレビ用のコンセント類や、照明のスイッチ類は、家具の配置もよく考えて位置や数を決めることになります。

分らないことがあれば、建築家に素直に聞いて、よく説明してもらうと良いでしょう。  

設計図書が完成すると、所管の役所へ行き建築の「確認申請」を行います。

ここで建築基準法や敷地の条件に適合した建物かどうかが審査されることになります。
住宅金融公庫を利用する場合は、同時にその審査の申請も行います。

これらの申請は、建主にかわって建築家が行うのが一般的です。

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☆施工会社を決定する

実施設計が完成した時点で、施工会社を選び、建築費の見積を作成してもらいます。

見積とコストの調整

施工会社の作成した見積が予算と合わなければ、建築家がどれを削って、どこを生かすかを、プロの目で適切に判断していきます。

必要に応じて、減額案などを作成して判断しやすい様にしてくれます。

最終的に予算の都合によって我慢しなければならない事があるかも知れませんが、
たいていの場合、建築家は建物の根本となる部分の費用を削るようなアドバイスはしないと思います。

施工会社の選択

建築家は、自分が信頼できる工務店に工事を依頼するように施主に推薦をする場合が多いと思います。

普段から付き合いのある工務店の方が、設計の内容をすぐに理解してくれて、施工のポイントもよく知っているから、細かな納まりのディティールなどを、きっちりと施工してくれるのです。

最終的に施工会社を決定するのは建主ですが、建築家と信頼関係で結ばれている施工会社を利用する方がさまざまな面でメリットがある、といえるでしょう。

 この点は、建築家は昔の棟梁に似ている所があります。いい棟梁の元にはいい職人が集まり、自然といい家が出来上がる。

それと同様に、いい建築家にはいい施工会社がついていることが多いのです。

ひとつ誤解しないで欲しいことは、たとい付き合いの永い施工会社と仕事をする時も、建築家は建主の利益をまず第一に考える点です。

施工会社も建築家の希望はできるだけ叶えようと努力する。

建築家の仕事を主にしている施工会社は、建築家との信頼関係が第一だからです。

施工会社選びが適格にできることも、建築家に設計を依頼することの大きな利点であるといえます。

工事請負契約

見積のチェックをして、コストの調整が終わったら、施工会社を決定し、建主と施工会社の間で「工事請負契約」を結ぶ事になります。

この場には建築家も立ち会って、契約内容のチェックをすることになります。

完成後に生じるトラブルの多くは、この契約の不備によって起こることが多いといえます。

工期や支払い条件、契約の約款などは、自分の目で必ず確認し、充分に納得をした上で、サインと捺印をして下さい。

分らない事があれば、建築家のアドバイスを受けて下さい。

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☆工事中...引渡し検査

工事監理

工事が始ると、建築家は定期的に現場を訪れ、施工が間違いなく行われているか監理をします。

現場を訪れるタイミングは、例えば木造軸組の場合は、基礎工事の配筋の検査や上棟の時など、工事の大切な節目になる時期です。

その際には、使われている材料が正しいかも必ずチェックするので、設計と異なる材料を使われてしまうといった心配を建て主がすることもありません。

工事が進み、仕上げ工事に入って来ると、現場を訪れる頻度も増え、細かい納まりなどについて施工者と綿密な打合わせを行なって行きます。

同時に、仕上げ材料などを現物の見本を用意して、建て主に提示し決定していく作業も順次行なって行きます。

引渡し検査

家が完成したら役所の「竣工検査」を受けることになります。

その後に建主と建築家、現場の責任者の3者が立合って「引渡し検査」をします。

その場で、不具合が見つかったら、施工業者と「不具合工事の確認」をして文章による確認がおこなわれます。

図面と異なる箇所や傷・汚れなどは、施工会社が手直しすることになります。

不具合工事や手直しが終わった時点で正式に建物が完成したことになります。

引越後もなにか不具合があれば、建築家はそれを解決するために、完成した建物を訪れたり、解決方法を施工者に指示したりします。

1年点検

私の事務所では、引渡し後、特別に不具合がない場合でも、およそ1年後に家を訪れ、生活の中で見つかった細かな不具合をチェックし、補修の手配などをしていきます。

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